MHLの世界第一号店であるMHL代官山が、2019年9月で10周年を迎え、
10周年を記念したエキシビションを代官山T-SITEにて開催しました。会場では貴重な過去のアーカイヴアイテムやMHLのブランドコンセプトボードがマーガレット・ハウエル自身の言葉とともに展示されました。

「ワークウエアとは?それは人の動きに応じて進化した機能的な服のこと。つまり、作業に不必要な手の込んだディテールや余計なものは、作業に必要な機能によって日常のなかで取り除かれて来たのです。 ワークウエアは、農場や工場、軍隊や船といった働く現場でそれぞれの用途に見合った素材(コットンドリル、コーデュロイ、モールスキン、デニムなど)を使用して生まれたものです。 苦楽を共にすることでワークウエアはいい味が出て、クオリティも増していきます。そんな喜びの源であるお気に入りのTシャツやジーンズは捨てるに忍びがたいものです。

若い頃は埃だらけのヴィンテージショップを巡って、つなぎの作業着や分厚いリブのウォーキングソックス、ベーシックなダッフルコート、シンプルなレザーのサッチェルバッグ、サロペットなどを見つけたものでした。ジャンブルセールでタフなグレートコートや、着古されていい味が出たレザーのボンバージャケットを発見した頃のことを今でも覚えています。今もなおこういった特別なものが私にインスピレーションを与えてくれます。初めて私がコレクションに取り入れたのはモンティダッフルコートで、その機能的な構造やきめの粗いどっしりとした素材感、ロープや木製のトグルがとても気に入りました。オーバーサイズで着丈をマキシにし、色は伝統的なキャメルとブラックにしました。ベーシックで飾らないものを、洗練されたものに合わせて着るというコンセプトがとても好きです。」

-マーガレット・ハウエル
 2009年 GQ STYLE 秋冬号掲載記事『Work Force』より抜粋

PHOTOGRAPHY BY
TETSUYA ITO

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