SHIRTING LINEN
飾らなくてモダンな、
シャツのためのリネン

マーガレット・ハウエルの服作りは、つねに生地から始まります。
そこから色が選ばれ、デザインが生まれていく。
ここでは、私たちが大切にしている生地のストーリーをお届けしています。
今回は、愛着の湧く素朴さを大切にしながらも、シャツらしい品格をもたせた、
シャツのためのリネンについて。

高いクオリティを供給するために
日本で作ったファブリック

コットンやウールなどの天然素材に比べて、リネンに抱くイメージを一言で形容するのは難しいのかもしれません。なぜならリネンは着るためだけではなく、私たちの生活と密着しているから。自然?素朴?それとも色気があるもの?おそらくすべて正解です。その中で今回紹介するのは、シャツのために作ったシャーティングリネンです。
過去にはアイリッシュリネンを使っていましたが、より高いレベルで品質や供給を安定させるために日本で試行錯誤し開発しました。こだわりは原料だけではなく、番手から織りの密度、そして仕上げの雰囲気をつくりだす染料の溶剤まで。納得のいくまで工場とコミュニケーションを育みながら、理想を導き出しました。とくに染めに関するプロセスはまるで化学の実験のよう。カーキやグレーなど、マーガレット・ハウエルの魅力でもある絶妙な色合いを美しく表現するために、溶剤の調合を毎シーズン繰り返しています。イギリスの光や風という、日本とは違うフィルターを通して見えるその色を表現するには、針の穴に糸を通すような細かい作業が必要なのです。

ディテールの小さな変化で
時代の空気と性格をつくる

シャーティングリネンの大きな魅力は、
シワの美しさ、洗いざらしの風合いです。
MEN SHIRTING LINEN SHIRT
¥30,800 (税込)

クルーネックは、広い首元に緩やかなカーブを描いて、
リラックス感を表現しています。
WOMEN SHIRTING LINEN SHIRT
¥29,700 (税込)

定番カラーのラインナップ、ブラックが久しぶりに加わりました。
色褪せた墨のような表情が特徴。
左:MEN SHIRTING LINEN SHIRT
¥33,000 (税込)

中:MEN SHIRTING LINEN SHIRT
¥30,800 (税込)

右:MEN SHIRTING LINEN SHIRT
¥34,100 (税込)

シャツドレスは、海外のヴィンテージショップで見つけた一枚をベースに、ポケットやヨークの切り替えやタックを加えたり、襟ぐりを前に下げることでリラックス感を表現しました。シャツであることを意識しつつも、縦にストンと落ちるシルエットは美しく、ドレスのように着ることもできます。メンズは定番のベーシックシャツにリネンを使いました。定番といってもシルエットや襟の大きさ、ポケットの形などをアップデートし続けることによって“今の気分”を反映しています。本作は、ボタンを通常よりも1mmちょっと大きくしています。その微細なアレンジこそが、見た目に大きな変化を与えているのです。
日本ではあまり馴染みがありませんが、イギリスでは、カシミヤのニットやツイードのジャケットにリネンのシャツを普通に合わせています。つまり、季節を限定せず、一年中を通して寄り添える生地であるということ。そんな愛着のあるリネンの素朴さと、モダンで洗練された表情を掛け合わせたような生地がシャーティングリネンの魅力。プレスをかけず、洗いざらしの風合いでさらりと着るのをおすすめします。

昔のタグがついている赤いシャツは1998年製で、黒のシャツは約10年前のもの。
ともにスタッフが大切に所有するアーカイブのリネンシャツ。

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PHOTOGRAPHER: KAZUKI NAGAYAMA
WRITER: MASAYUKI OZAWA