ISOKON PLYWOOD FURNITUREエキシビションレポート

ISOKON PLYWOOD FURNITUREエキシビションレポート

25 NOVEMBER, 2022

ロンドンの旗艦店にて、合板家具メーカーであるISOKONの歴史と技術を称え、マルセル・ブロイヤー、エドワード・バーバー、ジェイ・オズガービー、ジャスパー・モリソンなど1936年から現在に至るまでのISOKONの著名なデザイン作品を、ISOKONの工房で作られた合板家具の製造過程を示す型やテンプレートとともに展示をしました。

このエキシビションにて、マーガレット・ハウエルとISOKONが復刻させた1936年デザインのマルセル・ブロイヤーのネストテーブルがローンチされました。樺の木の合板を用いて、ロンドン東部のウォルサムストウにあるISOKONの工房で製作されました。各テーブルには、復刻版とパートナーシップを証明する刻印がされています。

「ISOKON FURNITUREは、合板の多様性と強度を実際に証明したメーカーです。軽くてしなやかな合板は、デザイナーに革新的で彫刻的なスタイルの家具を自由に作ることを可能にし、ISOKONは、1930年代のイギリスの国際的なデザインを牽引しました。シンプルでミニマル、そして今でもとてもモダンなプロダクトです」 - マーガレット・ハウエル

ISOKONは、1931年にジャック・プリチャードとカナダ人建築家のウェルズ・コーツによって設立されました。二人のパートナーシップは、プリチャードがロンドンのハムステッドに所有する敷地の建物の設計をコーツに依頼したことから始まり、後に1934年7月にローン・ロード・フラッツとしてオープンしました(現在はイソコン・ビルディングとして知られています)。その後、さらに多くの建築やプロジェクトが計画されましたが、フラッツの原案者をめぐってプリチャードとコーツの間に意見の相違が生じ、二人の関係は終焉を迎えました。

その後、バウハウス創設者のヴァルター・グロピウスがプリチャードに加わり、バウハウス仲間のマルセル・ブロイヤー、ラースロー・モホリ=ナギをISOKONに紹介しました。3人はすぐにフラッツに居を構え、ISOKONのために互いに協力し合うようになりました。1936年から1937年にかけて、ブロイヤーはISOKONのために合板の家具シリーズ、ロングチェアとショートチェア、ダイニングテーブルとダイニングチェア、ネストテーブルをデザインし、これらは現在、20世紀の家具デザインの古典とされています。

第二次世界大戦の勃発とバルティック・バーチ合板の不足により、1939年に生産は停止されましたが、1963年、プリチャードが復活させ、アーネスト・レースにペンギンドンキーとボトルシップのリデザインを依頼し、ロングチェアの生産も再開させました。1982年、ウィンドミル・ファニチャーのクリス・マッコートがISOKONを引き継ぎ、1930年代のデザインを再び取り入れました。1996年、マッコートはロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業したばかりのエドワード・バーバーとジェイ・オズガービーにループテーブルとシェルフのデザインを依頼しました。1999年にはマイケル・ソドーがウィングユニットをデザインし、2003年には安積伸と安積朋子がISOKONのペンギンドンキーをアップデートして、コレクションはさらに拡大しました。2019年、ISOKONはVG&Pに買収され、2021年にはジャスパー・モリソンが1935年にモホリ=ナジ・ラースローがデザインした会社のロゴタイプにインスパイアされたIso-Loungeを発表しています。現在もISOKONの家具は、プリチャードの遺産からライセンスを受けて製造されています。

CALENDAR 2023
ISOKON PLYWOOD FURNITURE
1934 - 1963
¥2,530(税込)

このISOKONの家具とローン・ロード・フラッツのアーカイブ写真12枚が、2023年のマーガレット・ハウエルのカレンダーの内容を構成しています。
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