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    Rikiya Burioka
    Kazuko
    鰤岡力也 / 家具職人
    鰤岡和子/ 焼き菓子職人
    写真家・平野太呂さんがさまざまなシーンで活躍するクリエイターに密着する連載コラム「LIFE NOTES」。
    第三回目は、平野さんとは年に1度ものづくりを共同で行なっているという家具職人の鰤岡力也さんと、菓子職人である和子さんのご夫妻に密着。

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    NODA HORO ROUND STORAGE LARGE ¥4,500   NODA HORO ROUND STORAGE MEDIUM ¥3,500   NODA HORO ROUND STORAGE SMALL ¥2,800  

    *掲載している商品の価格は、すべて本体のみ(税抜)です。

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    SHIRT ¥17,000   APRON ¥12,000

    *掲載している商品の価格は、すべて本体のみ(税抜)です。

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    NODA HORO ROUND STORAGE LARGE ¥4,500   NODA HORO ROUND STORAGE MEDIUM ¥3,500   NODA HORO ROUND STORAGE SMALL ¥2,800   SHIRT ¥17,000   APRON ¥12,000

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    SHIRT ¥17,000   APRON ¥12,000

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    平野太呂(以下H):僕が和子さんのお店に取材に行ったのが、知り合ったきっかけかな。
    鰤岡和子(以下K):そうでしたね。そのときに彼が作ったお店の什器を気に入ってくださって。
    H:ちょうど棚を作りたいなって思っていたところで、店内の什器を見て連絡先を聞いたんですよね。
    鰤岡力也(以下R):太呂さんのことは一方的には知っていましたし、一緒にモノ造りできたら嬉しいなって思って予算を抑えるかわりに「一緒に作りませんか?」って提案させてもらったんですよ。
    H:普通だったらこちらがお金払って教えてもらいたいくらいなのに、意外な提案に正直驚きましたよ。
    R:自分で手を動かしてもらったほうが、愛着を持ってもらえると思いまして。
    H:鰤岡くんの工場に4回くらい通って完成したものだから、すごく愛着湧きましたよ。そういえば取材で行った和子さんのあの店は、お休み中なんですか?
    R:この家に引っ越すことが決まったり、お店を手伝ってくれていた人が産休に入ったり、色々な出来事が重なってお休みすることにしました。それに娘を0歳から保育園に預けていたので、これを機に一緒に過ごす時間を増やしたいなという思いもあったんですよ。
    H:休んでみて、生活はずいぶん変わったんじゃないですか?
    K:そうですね。ただ私、ぼーっとしているっていうのができなくって。
    R:彼女働きたい症候群みたい。仕事がなくても朝5 時に起きてなにかしら動いていますね。
    K:お店を閉めてからなんだか時間を持て余していて、最近はやっぱり働きたいなって思う気持ちがまた少しずつ……。
    H:でもお店をやっているときは忙しすぎたのでは?
    K:ちょっと忙しかったですね。今は、得意先にお菓子を卸したりして、マイペースにやらせてもらっています。
    H:お菓子を入れたこの器は、マーガレット・ハウエルのものですか?
    K:はい。朝日焼の器で色がとても綺麗なんですよ。何を入れようかと、わくわくしちゃいます。今日は自分で作ったお菓子を入れていますが、お茶碗としても使えますよ。
    R:僕はマーガレット・ハウエルでカラーカスタマイズしている野田琺瑯の色合いも、絶妙なニュアンスで好きなんですよ。
    H:キッチンのテイストによく合っていますよね。それから和子さんが作ってくれた、このチェリーパイもすごくおいしいです。こういうものを、鰤岡くんは普段から食べているわけだ?
    R:そうですね。彼女が店をやっている頃は、試作品とか余ったものとかとにかくたくさん食卓に出てきました。
    K:だからなのか、彼も娘もコンビニのお菓子をこっそり買ってきたりするんですよ。
    H:少しわかるなぁ。たまにジャンクなものが食べたくなりますよね。

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    NODA HORO BUTTER CASE LARGE ¥3,300   
    NODA HORO BUTTER CASE SMALL ¥2,800

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    SHIRT ¥18,000    TROUSERS ¥24,000  
    SOUTHSEA STOOL ¥21,000

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    H:今年は、鰤岡くんの「MOBLEY WORKS」のカタログも一緒に作りましたね。
    R:「PADDLERS COFFEE」の松島大介くんと、彼の店で僕の家具の展示をやるという話になって、そのタイミングでカタログも作ることにしたんですよね。平野暢達さんにデザインを、太呂さんに写真をお願いすることができて本当に良いものになりました。
    H:楽しかったですね。考えてみたら棚作りとか、毎年なにかしら一緒にやってますね?
    R:確かにそうですね。
    H:今日は前から話していた釣りにも一緒に行けて良かったです。フライフィッシングってやっぱり道具もかっこいいですよね。
    R:そうなんです。シンプルな装備で行けるところも気に入っています。
    H:釣りをしているときMHLを着てたけど、そういう格好でも渓流釣りって大丈夫なんですね?
    R:問題ないですよ。川で着ていたシャツとトラウザーズは、ワークテイストで動きやすくて快適です。
    H:見た目も上品だし、なんだか新鮮ですね。
    R:フライフィッシングは英国発祥ですし、同じ英国繋がりでどちらも品もありますからね。それから一緒に持って行ったマーガレット・ハウエルのデッキチェア用のオットマンも軽くて使い勝手がいいんです。
    H:かなりお洒落なフライフィッシャーですね。今日使っていた竿もすごくいい感じでしたね?
    R:僕が使っているのは竹竿なんですけど、1880年代からカタチが変わらない代物です。盛岡まで行って職人さんに直接注文しました。
    H:物選びの基準はなんですか?
    R:第一に、実用性ですね。あとはきちんと作られていて、歴史があるものにも惹かれます。
    H:マーガレット・ハウエルやMHLの服やプロダクトもこだわりを感じますよね。
    R:そうですね。僕自身もMHLのロングスリーブカットソーは、仕事用に長く愛用していました。実は、結婚する前に初めて彼女にプレゼントしたのもマーガレット・ハウエルのニットだったんですよ。
    H:え、本当に?
    R:当時の僕にとっては奮発しましたが、上質なものだというイメージがあったので、どうしても着てほしくて。
    H:それは良い話ですね。和子さん、ひょっとしてまだ持ってる?
    K:今でも大切に持っていますよ。長い時間が経っても、やっぱり良いなって思えるものですね。

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    SHIRT ¥18,000 TROUSERS ¥21,000  

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    DRESS ¥28,000   ANGLEPOISE TYPE-75 ¥28,000

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    SHIRT ¥18,000   TROUSERS ¥21,000   DRESS ¥28,000   ANGLEPOISE TYPE-75 ¥28,000

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    SHIRT ¥18,000   TROUSERS ¥21,000  
    SOUTHSEA DECKCHAIR ¥35,000  
    SOUTHSEA STOOL ¥21,000

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    ASAHIYAKI BOWL ¥9,000   ASAHIYAKI PORCELAIN CUP ¥8,000

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    DRESS ¥28,000

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    ASAHIYAKI BOWL ¥9,000    ASAHIYAKI PORCELAIN CUP ¥8,000   DRESS ¥28,000

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    H:そういえばここは古い一軒家を買って、リノベーションしたんでしたよね?
    R:購入してからかなり自分で手を入れました。この家の梁を見たときに、カントリースタイルを基本にしたいなと思ったんです。僕の家具作りの原点はカントリー家具なので、そこに立ち返りたくって。カントリースタイルに自分の好きなミッドセンチュリーやシェーカー家具の要素をミックスさせたらどうなるかっていう実験の場でもあるんですよ。
    H:この家は、「MOBLEY WORKS」のお客さんも見にきたりするって聞きましたけど。
    R:そうですね。お店の内装を頼まれたときなんかは、実際どのようなイメージなのかこの家を見てもらって話したりすることもあります。
    K:ショールーム替わりですね。ここのデザインは、100パーセント彼の意見でできています。
    R:外にあるお菓子作り用の小屋の黒い壁は彼女のリクエストですよ。
    H:あの小屋も素敵ですよね。
    R:自分の家を建てるっていう将来の大きな目標を達成した今、次に何しようかなって最近よく考えます。
    H:やっぱ釣りじゃないですか?
    R:あ、確かに。40cm 超えの大物を釣り上げて剥製にするっていう目標を忘れてました。
    H:そういえばカタログにも、川の名前を付けていましたよね? 
    R:はい。憧れのアメリカの川をネーミングに使いました。
    H:あのカタログもこの家での撮影でしたね。そのときから定番家具を作るようになったんでしたっけ?
    R:ですね。それまではあまり同じものを何度も作るのが好きではなくて、オリジナル家具を受注して作るというスタイルでした。アメリカものだけじゃなく、イギリス家具にも大きな影響を受けていて、マーガレット・ハウエルで扱っているアーコール社の家具もそのひとつですね。
    H:どんなテイストのインテリアにも合いますよね、アーコールは。
    R:それからこの英国のデッキチェアは、木の質感もいいし座り心地も抜群です。本来ビーチで使うものですけれど、薪ストーブの前でくつろぐのに持ってこいだなと思ったんです。
    K:冬の間、そこでうたた寝している姿が想像できるかも。シーグラスの色合いが綺麗なアングルポイズのデスクランプも、うちの雰囲気にマッチしています。
    H:どちらも鰤岡くんの家具たちと良く馴染んでいますよね。
    R:マーガレット・ハウエルで売っている家具や雑貨は確かに相性がいいかもです。
    H:いつになるかはまだわからないけど、うちが引っ越すときは鰤岡くんにまた何かお願いするよ。
    R:嬉しいです。また工場で一緒に作りましょう。

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    鰤岡力也 家具職人
    鰤岡和子 焼き菓子職人

    Rikiya Burioka / Furniture Maker
    Kazuko Burioka / Pastry Chef

    ぶりおか・りきや / 1976年、東京都生まれ。 「ギャラップ」勤務を経て、「デポー39」の家具修理を請け負うようになる。 2010年に「MOBLY WORKS」として独立し、「PADDLERS COFFEE」などをはじめとした店舗の内装デザインや、住宅の家具製作などを手掛けている。

    ぶりおか・かずこ / 都内のカフェレストランで7 年菓子作りを担当したのち、2006年に独立。2010年から5年間営業していた「ひなた焼菓子店」は閉め、現在は「WOLD PASTRIES」としてイベント販売・出張販売をしている。著書に『ひなた焼菓子店のタルト フレッシュ&ベイクド』(河出書房新社)がある。

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    平野太呂 写真家
    Taro Hirano / Photographer

    1973年生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒。2000 年よりフリーランスとして活動を開始。スケートボードカルチャーを基盤にしながらも、 カルチャー誌やファッション誌や広告などで活動中。主な著書に『POOL』(リトルモア)『ばらばら』(星野源と共著/リトルモア)『東京の仕事場』(マガジンハウス)、フォトエッセイ『ボクと先輩』(晶文社)、『Los Angeles Car Club』(私家版)、『The Kings』(ELVIS PRESS)がある。東京都渋谷区上原にて2004年からNO.12 GALLERYを主宰している。