BARBOUR FOR MARGARET HOWELL

BARBOUR FOR MARGARET HOWELL

英国のアウトドアライフスタイルを体現するブランドであるバブアーとマーガレット・ハウエルとのコラボレーションが実現しました。バブアーは1894年、ジョン・バブアーによりイングランド北東部のサウスシールズで創業され、北海の不順な天候の元で働く水夫や漁師、港湾労働者のためにオイルドクロスを提供したのが始まりでした。このコラボレーションでは、バブアーのアーカイブを基にマーガレット・ハウエルらしくモダナイズされたライトウェイトのブルゾンやコート、ポンチョがウィメンズから発表され、メンズからはフィッシュテールパーカが登場します。

「長年のお気に入りの一着を持っているバブアーファンのひとりとして、このコラボレーションの依頼があった時はわくわくしました。アーカイブを見ることができて、ほんとうに嬉しく、とてもよい刺激になりました。英国の伝統を継承するクロージングファクトリーのひとつと仕事をしている、ということは素晴らしいことです。上質で、長く着ることを目的にした服作りに携わること、それが私に達成感を与えてくれます」
ーマーガレット・ハウエル
「マーガレット・ハウエルは、どのコレクションでもクラシシズムと高いクオリティー、シンプルなスタイルを一貫して表現している。シンプルなカッティングによるモダンなシルエットのデザインが、リラックスしたナチュラルなルックを生み出している。みんな、彼女とのコラボレーションに気持ちが高まっています」
ーバブアー メンズウエアディレクター イアン・バーギン

Q AND A

1. このコラボレーションのきっかけは?

バブアーがマーガレット・ハウエルというブランドのデザインとものづくりへのアプローチに共感してくれたに違いないと私は思っています。両者ともクオリティーに妥協をゆるさないこだわりを持っています。そして服というものが実用的で長く大事に着てもらえるものだと信じていること、伝統的なものづくりのスキルをリスペクトしているところも共通しています。

2. マーガレット・ハウエルとバブアーによるシナジー効果はありましたか?

私はずっとワークウエアの持つ機能的な側面が好きだったし、アウトドアライフも好きです。ですから、バブアーから、もとはと言えば英国の極端な天候に対応するワークウエアとして開発された代表的なウォータープルーフのアウターシリーズに新しい息吹を与えてほしいと言われてとても興味を持ったのです。アーカイブを見せてもらって、気に入った3型を見つけて、アウトドアよりも都会で過ごす時間が多い現代の女性に着てもらえるようにデザインの見直しができるのではないか、と思ってわくわくしました。

デザインの基になったアーカイブ

3. デザイン哲学についてもう少し教えてください。

「哲学」と言われると大げさですね。 大概の場合、私は自分自身の経験に基づいた直感を信じているだけです。でも、ハンズオン…実際に手で触れてみることは私の仕事の根幹です。子どもの頃からものを作ることが好きでした。現在の仕事でも、ものづくり、素材、コンセプトはどれも同じくらい大切です。そう、素材はとても大事です。身に着けるものを作り出すのに布地に代わるものはありません。この素材はどんな風かしら?着心地はいいかしら?と考えてみるのです。生地に初めて触れてみてアイディアが湧いてくることだってあります。私は、アウトフィットの一部分としてではなく、それぞれ個々の存在としての服をデザインすることが好きです。その服が人々のコーディネイトを素敵してくれたらいいですね。

4. バブアーもマーガレット・ハウエルもメンズウエアからスタートしたブランドです。そして両者とも女性の支持を受けてウィメンズウエアを始めました。メンズウエアの何が女性を惹きつけるのでしょうか?

私の経験からすると、必要なものを着ることで「着こなし」というものが決まります。女性が仕事を持ち忙しい生活を送るとなると、動きやすく快適なフラットシューズやトラウザーが必要になるでしょう。この考えがずっとありました。1960年代と言えば真っ先にミニスカートや奇抜さが思い浮かぶかも知れませんが、それと同時に女性がジェンダーの壁を崩し、アーミーサープラスやスポーツウエア、ワークウエアをコーディネートに取り入れ始めた時期でもあるのです。女性を解放したあの時代の感銘を今でも大事にしています。今は女性がメンズの白いシャツを着ることに何の抵抗もないでしょう?けれど、時代と共にその着こなしだって変わっていくものです。

5. デザインであれ、素材であれ、過去から受け継いだものがインスピレーションの源になっています。今回作ったバブアーのアウター3型に関してはどうですか?

クラシックなデザインの持つ力強さそのものが、私に新たな光をあてたいという気持ちにさせるのです。バブアーの製品はそれぞれの目的に合うように作られています。もともと「スペイ」はぬかるみを歩く釣り人のために、「ポンチョ」は農夫たちのスモックとして、そして「アースラ」は(そのネーミングには反しますが)潜水艦乗組員のためにデザインされたものです。 では、どうやってそれに新たな解釈をするのか?一枚の服というものは、着心地がよく、存在感のあるものでなければなりません。着心地がよいものは、見た目も美しい、ということなのです。 「アースラ」は着丈を長くして、伝統的なワックスドコットンのオリーブグリーンに加えて、私自身着たいと思っている黒(日本展開は無し)を追加しました。シルエットをゆったりとさせて街中で着られるようディテールにこだわりましたが、アウトドアで着てもきっと気に入ってもらえるでしょう。「スペイ」にもゆったりとしたシルエットを持たせましたが、こちらはもともと着丈の短いジャケットだったものを思い切ってもっと短くした方がいい、と決めました。「ポンチョ」はそのカラーとボリュームにインパクトがあり、都会で着ても野外の音楽フェスティバルで着てもいいでしょう。

ロンドンで行われたトークイベントの様子

6. これらのアウターで特に伝えたておきたいディテールはありますか?

バブアーのアウターのすべてのディテールや金属部品はよく考え抜かれていて、必要性に基づいています。たとえば、スナップスタッドと頑丈なファスナーに付けられた大きめのリングプルは、かじかんで濡れた手でも簡単に開閉することが可能ですし、コーデュロイの衿は首元に心地いいでしょう。他にも取り外しのできるフードや、これは「ポンチョ」に限ってですが、着丈を調整できるのもアウトドアで動きやすくするためです。すべては英国の不安的な天候から身を守るためなのです。