MHL. BRITISH WOOL
タフで温かい、英国のウール

マーガレット・ハウエルにとって、素材はすべてのはじまりであり、
そこからデザインが決められていきます。
このコラムではそんなプロセスやストーリーをお伝えします。
今回は軽くて丈夫な風合いを醸す、
MHL.の冬になくてはならないブリティッシュウールについて。

イギリスの羊は厳しい寒さから
身を守るために工夫をしています

世界でも有数の羊毛の産地で知られるイギリス。その理由は、羊が生活する環境にあります。とりわけ北部スコットランドの冬は、降水量が多いため、日々の天色はグレースケールに覆われ、厳しい寒さが続きます。しかしそんな場所だからこそ、羊たちは自分たちで身を守るように、クリンプと呼ばれるちぢれをたくさん作るのだそう。クリンプは空気をたくさん含むため、保温性に長けており、軽さと柔らかさを備えています。他国で刈り取られるものと比べても毛が太くて、自然の寒さに耐える機能を体感できる。MHL.が使い続ける、ブリティッシュウールの魅力です。

WOMEN MHL. BRITISH WOOL KNIT ¥ 34,100 (税込)
MEN MHL. BRITISH WOOL KNIT ¥ 35,200 (税込)


ざっくりとした風合いをもつ素朴なブリティッシュウールは、スコットランドにある老舗ファクトリーで一枚のニットに編まれていきます。このファクトリーは使う糸、織る機械、仕上げの水にまで意識を届かせ、高いクオリティを長きにわたって保ち、私たちとものづくりへのこだわりを共有しています。この3ゲージのローゲージニットは、ざっくりとした編み地と丈夫な毛質との相性がとても良い。完成されたデザインスケッチからプロセスを逆算するのではなく、糸からデザインしていく私たちのものづくりを象徴しています。首のあたりが気にならないように詰まりを調整したハイネックも、ふわりと見える脇裾のスリットも、ブリティッシュウールの特徴から導かれたディテール。着心地の良さは、素材だけが理由ではないのです。

正しいケアと休息は
愛情を図るものさし

クリンプが密に絡み合うことで弾力性をもつブリティッシュウールですが、その丈夫さにあぐらをかいてはいけません。このニットのように長く着続けるためには日々のブラッシングを。毛の流れを整えることの意味は、毛先の絡みをほぐすこと。そして繊維の奥に詰まったホコリをかきだすように。それがセーターの天敵でもある虫食いと、毛玉を防いでくれるのです。毎日身につけたくなる着心地ですが、十分なケアと休息を与えてあげましょう。

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PHOTOGRAPHER: KAZUKI NAGAYAMA
WRITER: MASAYUKI OZAWA