CANTON OVERALLSとの歩み

CANTON OVERALLSとの歩み

MHLがCANTON OVERALLSとのコラボレーションを発表したのは2013年春夏シーズンのこと。以来、その卓越したクオリティに支えられて12シーズン目を迎えました。
今となってはロンドンで行われるキャットウォークショーにも頻繁に登場するほどMHLにとって、欠かすことのできない存在となっています。

〈CANTON COTTON MILLS社の社史本〉
1899年に興ったCANTON COTTON MILLS社の歴史をまとめた貴重な資料。写真も豊富に掲載されており当時の職人たちの生活の様子がうかがい知れる。

そもそもCANTON OVERALLSには長い歴史があり、1899年にアメリカはジョージア州アトランタに興った綿織物を作るための「CANTON COTTON MILLS」という紡績工場に始まります。アメリカでも指折りのデニムメーカーとして高い品質を誇り、1963年には日本で初めてこのCANTON COTTON MILLS社製のデニム地を輸入した国産ジーンズブランド「CANTON」が誕生。デニム地のみならず、TALONジップやSCOVILLリベットをも輸入し、頑丈なデニム地の縫製に長けていたUNION SPECIAL社のミシンで縫製する徹底したこだわりが人気を博したものの、1970年代以降は時代の変化と共にCANTONブランドはゆっくりと勢いを失い、活動を休止。その後アメリカの工場も閉鎖してしまい一度は時代の表舞台からその姿を消しましたが、約半世紀を経て2008年にブランド名を「CANTON OVERALLS」と改めデニム地の生産も日本を拠点として復活。当時のこだわりを継承したその高い品質と共に、現代におけるワークウェアの機能性を追求し続けています。

〈1940年代のペインタートラウザーズ〉
1940年代のCANTON MILLS社製のデニム地を用いて縫製されたヴィンテージのペインタートラウザーズ。
薄いライトオンス地だがタテ落ちがとてもきれいに出ている。

〈1960年代に織られたCANTON MILLS製のデニム地〉
最盛期を迎えていたCANTON MILLS社製のデニム地。表と裏に現れる糸のしこり(ネップ)が当時のぬくもりを感じさせる。裏地には社印とMADE IN USAの文字がプリントされている。
〈1940年代のペインタートラウザーズ〉
1940年代のCANTON MILLS社製のデニム地を用いて縫製されたヴィンテージのペインタートラウザーズ。薄いライトオンス地だがタテ落ちがとてもきれいに出ている。
〈1960年代に織られたCANTON MILLS製のデニム地〉
最盛期を迎えていたCANTON MILLS社製のデニム地。表と裏に現れる糸のしこり(ネップ)が当時のぬくもりを感じさせる。裏地には社印とMADE IN USAの文字がプリントされている。

またMHLにとって、ミリタリーやユニフォーム、ワークウェア等に実用的に用いられてきたタフで風合いに優れた本格的なデニム地は非常に重要な素材であり、そのスペシャリストであるCANTON OVERALLSとのコラボレーションは必然的な出会いによるものでした。このコラボレーションではあえてヨーロッパらしいワークウェアのディテールを用い、ワークジャケットやペインタートラウザーズなどにフォーカスをあてて毎シーズン少しずつ改良を加えながらモダナイズし続けています。MHLらしいリラックスしたシルエットとパターンカッティングに加え、強度を追求した縫製や多様なセルビッジ使いなど、表裏を返せばそこに現れるCANTON OVERALLSの見事なクラフトマンシップを見ることができます。そういった実用的かつ機能的なデザインとディテールは双方に通じるものづくりの大事なコンセプトの証でもあるのです。

〈MHL初のデニムトラウザーズのサンプル〉
バックヨークを用いずにダーツで立体を作っている。このプロトタイプからすべてが始まった。

この2018秋冬シーズンには旧型の力織機を用いてCANTON OVERALLSが独自に開発した13,75 oz(オンス)のデニム地が採用され、履き込むうちに現れる混じり気の無いきれいなインディゴブルーのタテ落ち感とオーガニックコットンをブレンドしたナチュラルな穿き心地が特徴です。CANTON OVERALLSのタイムレスなデニム地の機能性とディテールへのこだわり、そしてMHLらしいモダンで実用的なデザインのコラボレーションをどうぞお楽しみください。