神南店20周年記念イベントレポート

神南店20周年記念イベントレポート

15 NOVEMBER, 2019

日本における初の旗艦店として1999年にオープンした神南店が
この秋、20周年を迎えました。
店内では、マーガレット・ハウエル本人の審美眼で選び抜かれた
ファニチャー、ホームプロダクトにフォーカスした展示が行われています。

さらに、2017年に初めてコラボレーションした
吹きガラス工房「fresco」との20周年限定プロダクトも販売。

11月3日(日・祝)には
「fresco」の辻野 剛氏を招いたトークベントを開催。

実際の工房風景や制作過程などを
動画やスライドを交えながら丁寧にご説明いただきました。
繊細なガラスを扱う緊張感のある現場は
アシスタントとの息のあったチームプレーが要。

辻野氏「ものづくりは色々ありますが、吹きガラスはチームなくしてはなり立ちません。
また、最後の工程は軽い衝撃を与えてガラスを外すので、ちょっとした衝撃も与えないように注意が必要です。なので、常に緊張感を持ちながら作業しています。」

スライドで紹介されたプロダクトは
frescoのガラスを象徴する初期のプロダクト「1.9M」のシリーズと
最新シリーズの「olive stained」。

辻野氏「『1.9M』を作るきっかけとなったのが、京都龍安寺石庭です。“1.9M”は龍安寺を囲む土塀の高さ。本来なら外から見えないように高く設計されるものを、縁側に座った高さに壁と外側の景色の境目が来るようになっていて、借景とともに庭が楽しめる。器にもそのような考え方を取り入れたら面白いなと思って、器と、器を使う空間も視野に入れたプロダクトを作りました。」

マーガレットが選んだのは、ジェイドグリーン、ピジョングレー、スチールグレー、ゴールドブラウンラスターの4色。20周年限定プロダクトにはゴールドブラウンラスターを採用。

マーガレット・ハウエルとのコラボレーションでは
マーガレット自ら実際に工房に足を運んでいます。

辻野氏「最初はいろいろな試作品をロンドンに持って行ってもらい、選定していただいたのですが、これがなかなか、マーガレットさんが『うん』と言ってくれない(笑)。そんなやりとりしている中で、実際に見た方が早いんじゃないかということになり、工房に来ていただいたんです。そうするとすごく話が早くて、それまでに色々と試作していたプロダクトとは別の器を見て『これがいいわね』と。色に関しては迷わずに、『これだわ』と直感で決められていましたね。」

frescoとコラボレーションしたプロダクトは
英国のテートモダンの「edit」で
マーガレットが厳選したアイテムのひとつとして紹介され
これをきっかけに、現在ではロンドンでも展開しています。

辻野氏「ガラスは、儚いところが持ち味。皆さん、ガラスに透明で壊れやすいというイメージをお持ちだと思うのですが、壊れやすいからこそ大事に付き合うということを強いてくる。それにあえて付き合って、“もの”を大事にすることを教えてもらう、ガラスとはそういうものだと思います。」

辻野氏の“もの”に対して真摯に向き合う姿勢は
マーガレット・ハウエルが求めるものづくりへの情熱にも通じ
今回のコラボレーションにも繋がっています。

辻野氏の人柄を写すような和やかなトークの後にも
様々な質問が飛び交い、盛況のうちにイベントが終了しました。

20周年を記念した展示やfrescoの限定プロダクトなど
アニバーサリーの雰囲気に溢れた神南店へぜひお越しください。

FROM JINNAN