ARCHIVES : August 2011
組み立てる脚のパーツ毎に揃えます。
「脚を組み立てる部分は、完全に手作業なんだよ。」
脚のパーツを両手で取るその姿に、物づくりへの深い愛情を感じました。
脚と脚をつなげる部分の糊付け作業です。
その時の季節、気温はもちろん、手で感じるその木材の状態を
見極めながら、糊をつける量やスピードを加減していきます。
カンカンカン。
パーツをつなぎ合わせた形状が、きちんと適したバランスに
なっているかどうか、確認します。
合格と判定出来たものをこの箱の中へ。整然と並んでいます。
座面に脚を取り付ける際には、このように完全に貫通させます。
座面に脚を貼り付けるだけの方法ではなく、完全に脚の部分を座面に
貫通させる方法の方が、椅子としての強度があるのだそう。
そして余分に突き出ている箇所を切り取っていきます。
座面に脚を取り付けた後、今度はここに一度置きます。
「これはスチーマーです。この中に木材を入れてやわらかくしていきます。」
「この部屋にはたくさんの金型があります。
昔からのものも含め、全て大事にとってあります。
それでは、この金型を用いて、曲げ木の技術をご紹介します。」
初めて見る曲げ木の技術!ドキドキします。
「まず、金型をこの木の台の上に固定します。」とロバートさん。
「その固定した金型の上に、スチーマーで柔らかくした木材を置き、
動かないよう固定します。
両サイドを2人で少しずつ、曲げていきます。
この時、2人の、曲げていく力加減やスピードはもちろん、角度やタイミングなど
双方の息が全ての面で合っていないと、きれいに曲げることは出来ません。
この曲げ木の技術は、とても難しいのです。」
あれよ、あれよという間に、一本の木材が金型通りの形に大変身!
まるで魔法を見ているようでした。
「それではここから磨きをかけるところをご紹介します」とラリーさん。
丁寧に積み重ねられた背もたれのパーツを手にすると、
確かに、ふだん触りなれたアーコールの家具の、あのやわらかさが
まだ無いように感じます。
「あの丸い穴の開いた機械を用いて磨いていくのですよ。」
「ひとつひとつ木材の状態を見定め、微調整を行いながら進めていきます。
全て同じ状態に仕上げられるようになるには、経験を重ねた技術が必要です。
地味に見えるようですが、意外と難しい部分なのです。」
「出来ましたよ!」とニコリ。思わず、私も顔がほころびます。
とても心地よい日差しが工場内を照らしています。
昔は、鹿が遊びに来たりしていたとか!
今でも時々リスを見かけることが出来るそうです。
自然を感じながら、物づくりされているのですね。
「ラリーさん、ところで、マーガレットとの刻印、拝見出来ますか?」
「もちろんだとも!」
ネストテーブルを作ってらした職人さんが、
手を休めて私たちに刻印を見せて下さいました。
「この刻印も、もちろん私たちが手でひとつひとつ押しています。
少しでも押すと焦げ過ぎてしまうし、
少しでも柔らかく押すと文字が消えて見えてしまうので、
本当にこの刻印を押す工程は、非常に難しいのです。
また、再度押し直すという事が出来ないので、かなり神経を使います。」

「この刻印は、マーガレットとかなりやり取りして作り上げました。
私達にとっても、とても思い出深いものがあります。」
「アーコールの商品は、木材に浸透させるラッカー塗装を施しています。
水溶性のものなので、肌触りが良く、経年変化を楽しんでいただける
仕様になっているのですよ。」
「水溶性なので、ほら、匂わないでしょう?」
「本当ですね、分からないですね!」
「職人もマスクせずに仕事をしているぐらいなのです。
身体に悪いものは使用したくないですよね」
これからラッカー塗装を乾かします。
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