SHORT FILM STORY

「マーガレット・ハウエルのブランドイメージを映像化するとしたら。」
そのアイディアを具体化すべく、今回の「WHITE SHIRTS」は制作されました。
近年さまざまな趣向を凝らしたインスタレーションが話題となっていますが、マーガレットも同様、2004年S/Sメンズコレクション展示会ではエキシビションのBGVとして、このショートフィルムを上映。ブランドの原点であり象徴的なアイコンアイテムでもある“ホワイト シャツ”に新しい解釈を加えた映像は、今の彼女が理想とする世界観を実に見事に表現したものでした。

マーガレットは幼い頃から物作りが好きで、既製のパターンに手を加えるなどして独自性の高い服を作っていました。フリーマーケットで見つけた仕立ての良い男物のシャツに魅せられ、上質で長く着られるシンプルなシャツ作りを探求すべく、自宅兼アトリエで腕のいい縫子さんとの共同作業をスタートさせたのが、およそ30年前。さらに数年前に、今回のシャツの生産のシーンを撮影した小さな自社ファクトリーを構えました。生地がカットされるところから縫製、仕上がりまでを見届けられるその小さなスペースは、今もマーガレットの物作りの基点であることに変わりはなく、複雑なディテールを持つ縫製が困難なものや、小ロットの製品はここでしか生産ができないという大切な場所です。
さらにゆっくりとシーンを追うと、そこにはメラウエアの食器やアーコールのチェア、50年代に建てられたフラットなど、今マーガレットが夢中になっているシンプルでモダンな形が背景として色濃く映し出されます。そうした英国ミッドセンチュリースタイルは、彼女が理想とする永続的なスタイルに現代のフィーリングを加えモダナイズするためのアイディアのベースであり、スパイスでもあるのです。
マーガレット・ハウエルのシャツへの思いは、時が経ても決して薄れることはありません。一枚のシャツを作るために彼女が大切にしてきたこと、永遠の思いがこの一片の映像には込められているのです。